神仏あれこれ良くわかるおはなし
「木目」と「杢目」の違いが良くわかるおはなし
木が生きてきた証とも言える木目。同じように見える木目にも、大きく分けて二種類の出し方が存在します。タケノコのような放物線状の目が並んだ木目を「板目(いため)」、均一な平行線状の目が並んだ木目を「柾目(まさめ)」と呼びます。一般的に、板目は目が面白く、製品にした際にユニークなものになりやすいというのが特徴です。それに対して柾目は、平行線が並ぶので目は落ち着いた印象を与えるものが多いですが、均等に木目が並んでいるので、反りづらく割れにくいのが特徴です。また、柾目は一本の丸太を縦に挽いた木材の左右部分を使用したり、縦に四分割した木材を板にしたりするため、板目よりも幅が短くなり、必然的に価格も高くなりがちです。
次に、「杢目」と書く場合の目はどのようなものが当てはまるのかについてお話ししたいと思います。一般的に「杢目」と書いた場合、単なる板目・柾目より特殊な紋様が現れている場合を言います。
季節、天候、病気などの不安定な自然界で育った木は、曲がったり、コブが出来たりします。その結果、年輪は歪み、縮み、特殊な杢目を形成するに至り、その杢目のある木材を切断することにより、『玉杢(たまもく)』『縮緬杢(ちりめんもく)』『牡丹杢(ぼたんもく)』等の奇紋が生まれるのです。これらは、貴重で高価な材の為、無垢板で使うことはまずありません。スライサーで薄くスライスし、表面材として使われる事がほとんどです。それでも、表面材になるような大きな板が取れる銘木は少なく、大きくてもおよそ50cm角程度でしか使えないと考えて問題ないでしょう。
板目の仏壇やスライスして高級仏壇の表面材に使われた杢目を見ていると、大きな柾目が取れる太い天然木の資源や、稀少な杢目が見られる高樹齢の自然木が無くなって来ているのをひしひしと感じ、同時に、非常に残念に感じます。
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